手帳をつくる - どんな手帳にするか
今年(2019年)に引き続き2020年も作る予定。
2019年版でやり忘れたこと、2020年版でやったほうがいいことは、以下の通り。
- しおり紐をつけること
- 週の始まりを月曜にすること
- 罫線の色をグレーなど他の色にすること(2019年版は、薄いブルー)
検討中のこと。
- サイズはA5に広げるか、2019年版同様B6にするか(A5の書きやすさをとるか、B6のコンパクトさをとるか)
- 自由記述欄(主に食事内容のメモ)を日毎に分けるか、分けないか
- 表紙はクロスで包むか、ほかにやり方はないか(手持ちのクロス紙は黒なのでちょっとイマイチな感じ)
- ゴムバンドはつけるか、つけないか
やったほうがいいこと、検討中のことは順次追加する予定。
本質を学ぶ ガロワ理論最短最短コース
本質を学ぶ ガロワ理論最短コース
(P.150, P.153)
定理 9.1 (基本定理)
重根を持たない 次多項式 に対して,その根 の入れ換えのなす群 であって,次の性質をみたすものがただ1つ存在する:
(1) の2つの式が同じ値を定めるならば, の各元で根を入れ換えても2式の値は等しい.すなわち, ならば, の元で と入れ換えても が成り立つ.
(2) の式に対して,その値は, のどの元で根を入れ換えても変わらないとき,定数である.
この群 を多項式 の群という.
証明のなかで使われていることを補題の形にしてみる。
補題 9.1-1
: 重根を持たない 次多項式 の根,
: の原始元,
: を根に持つ既約多項式,
: の他の根,
とする.
に関する2つの式が同じ値を定めるならば, を に入れ換えても2式の値は等しい.
すなわち,[証明]
を に書き換えた多項式 は を根に持つ多項式だから, は を根に持つ既約多項式 で割り切れる.そこで
とおく. に を代入すれば = 0] だから
補題 9.1-2
などは (9.1-1) と同じとする.
の根 は の式で表すことができるから,それを とする.
を に入れ換えた は の根である.
補題 9.1-3
などは,(9.1-1), (9.1-2) と同じとする. は の式で表すことができて,
とする.各の を に入れ換えた式 は,(9.1-2) により, の根であり,
は の並べ換えとなる.
補題 9.1-4
は (9.1-3) と同じとする.
の異なる根 に対して (9.1-3) で得られる の並べ換え
は,異なる並べ換えとなる.
本質を学ぶ ガロワ理論最短コース
(129ページ)
の元 が の元を係数とする多項式の根であるとします.このような多項式を以下,単に 係数多項式と呼びます. を根に持つ 係数多項式のなかで,次数が最小の単多項式を の 上の最小多項式,あるいは 最小多項式といいます.また, が明らかな場合(混乱しない限り),単に最小多項式といいます.
『このような多項式』とは、「 を根とする の元を係数とする多項式」ではなく、単に「 の元を係数とする多項式」と読む。だから、これ以降の基本的な性質を持つ 係数多項式 は、 となるわけではない。
となる多項式は、「 を根とする 係数多項式」であり、130ページ (3) の『 の 係数多項式の値』とは、「 係数多項式に を代入した値」と読まないと、(3) の内容がわからない。
ガロアに出会う
5次以上の方程式には解の公式がないことをいうためには、以下を証明すればよい。
そのために、この本は上の内容の対偶である以下の定理を証明している。
定理 19.3 を数体とする.複素数 が 上べき根で表せるならば, は 上代数的であって の 上のガロア群は,可解群である.
上べき根で表せる複素数 は、可解なガロア群をもつガロア拡大 の元である. は 上代数的となって、 の 上の最小多項式があって、その最小多項式の根を につけ加えた体 がある。求める の 上のガロア群は、 で、このガロア群は、可解群である、というのがこの定理の証明の自分なりの要約。
ここで、複素数 がべき根で表せるとは、
定義 4.1 を数体とする.複素数 が 上べき根で表せるとは,以下の条件をみたす数体の列 が存在するときをいう.
(a)
(b)
(c) について,
ということ、つまり、『 が に属する複素数と四則記号(+,−,×,÷)とべき根記号の組み合わせで表せる』(84ページ)ことであり、また、可解群とは、
定義 19.2 群 が可解群であるとは次の (a) または (b) が成り立つときをいう.
(a) はアーベル群である。
(b) 次の条件 (1) と (2) をみたす群の列
が存在する.
(1) で,すべての について は の正規部分群である:
(2) および はすべてアーベル群である.
と定義する。
証明は、以下のように進む。
- 命題 21.5 により、上べき根で表せる複素数 を含む のガロア拡大体 で、そのガロア群 が可解群である が存在する。
- と より、 は 上代数的である(命題 11.5 (a))から、 の 上の最小多項式 の根 を に付け加えた体を とおく。
- このとき の 上のガロア群は で(定義 12.8)、 かつ は と 上共役だから、。よって、。
- はガロア拡大だから、 もガロア拡大(命題 21.1)。よって、命題 18.1 より、。
- が可解群であることと命題 21.3 (2) により、 すなわち の 上のガロア群は,可解群であることが証明される。
上の証明で使われた命題等は以下の通り。
命題 21.5 が数体で、複素数 は 上べき根で表せるとする.このとき,次の条件をみたす の拡大体 が存在する.
(a)
(b) はガロア拡大である.
(c) は可解群である.
上べき根で表せる複素数 に対して、そのガロア群が可解群である のガロア拡大体である が存在するということ。
命題 11.5 をガロア拡大とする.このとき,次の (a) と (b) が成り立つ.
:上代数的
(b) 上共役な2つの複素数は,もし一方が に属していれるならば,もう一方も に属している.
:上共役,
定義 12.8 複素数 が 上代数的であるとする.そして, の 上の最小多項式が の 以外の根が であるとする:
そこで, に をつけ加えてできる の拡大体を とする:
そうすると, は 係数多項式だから, はガロア拡大である.そこで,このガロア拡大 のガロア群を, の 上のガロア群と呼ぶ:
の 上のガロア群
命題 18.1 が数体で, をみたし,
,,
は,すべてガロア拡大であるとする.このとき, は の正規部分群であり, の による剰余群は に同型である:
命題 21.3 と が群, が の正規部分群で
であるとする.このとき,次の (1), (2) が成り立つ.
(1) と が両方とも可解群ならば, は可解群である.
(2) が可解群ならば, は可解群である.
19.3 の証明の 1. で使う可解群 を持つガロア拡大体 は、 を含んではいるが、この可解群は、 の 上のガロア群ではない。これは、定義 12.5 と命題 12.6 で決まる をとめる の自己同型全体の集合からなる群のこと。
命題 21.5 は、定理 19.3 の仮定「複素数 が 上べき根で表せる」ことを、 のガロア群が可解群であることと結びつける最初のステップ。21.5 を証明するために使われるのが、命題 20.4。
命題 20.4 2項拡大のガロア群は可解群である.具体的にいうと:
とする.このとき のガロア群は可解群である.
21.5 の証明は、定義 4.1 で をべき根で表すときに存在した数体の列数が2の場合()でおこなっている。つまり、
として、 を含む2項拡大の列を構成する。2項拡大のガロア群は、20.4 で可解群であり、その列の最後の2項拡大を にして題意の拡大体 を構成している。
完全版 天才ガロアの発想力 (3)
解けない方程式の「からくり」はこうだ (207ページ)
: 体、 とする。
べき根拡大
K が F のある要素のべき乗根を加えたものであるとき、「体 K を体 F のべき根拡大」と呼ぶ。
巡回拡大
K の F 上の自己同型の作る群が巡回群であるとき、「体 K を体 F の巡回拡大」と呼ぶ。
体 K が体 F のべき根拡大であることと、巡回拡大であることは、同値。(ただし、F が1のn乗根をすべて含んでいる場合?一般の複素数体の部分体でない有理数含まないような体の場合はどうなる?)
べき根拡大の定理1
体 F が1のn乗根をすべて含んでいるとする。a \in F のn乗根を F に付加して作ったべき根拡大体を K とすると、K は F の巡回拡大である。
べき根拡大の定理2
1のn乗根をすべて含む体 F の数を係数とする方程式の解から作った体 K の F 上の自己同型のなす群を G とする。K と F の中間体 K_1 と K_2 があって、K_2 が K_1 のべき根拡大なら、G の元で K_1 を不変にするものを K_2 に制限したものがすべて K_2 の K_1 上の自己同型になる。