手帳をつくる - どんな手帳にするか

今年(2019年)に引き続き2020年も作る予定。

2019年版でやり忘れたこと、2020年版でやったほうがいいことは、以下の通り。

  • しおり紐をつけること
  • 週の始まりを月曜にすること
  • 罫線の色をグレーなど他の色にすること(2019年版は、薄いブルー)

検討中のこと。

  • サイズはA5に広げるか、2019年版同様B6にするか(A5の書きやすさをとるか、B6のコンパクトさをとるか)
  • 自由記述欄(主に食事内容のメモ)を日毎に分けるか、分けないか
  • 表紙はクロスで包むか、ほかにやり方はないか(手持ちのクロス紙は黒なのでちょっとイマイチな感じ)
  • ゴムバンドはつけるか、つけないか

やったほうがいいこと、検討中のことは順次追加する予定。

本質を学ぶ ガロワ理論最短最短コース

定理 9.2 ガロワ対応(多項式の群の部分群と根の式のなす体との対応)

G_f:重根を持たない多項式 f(x) の群

M:根の式のなす体

とする.以下の対応

  根の式のなす体 M \longrightarrow M に含まれる根の式の値をすべて不変にする G_f の元全体(G_f の部分群)H_M

  G_f の部分群 H \longrightarrow H で不変な根の式全体(根の式のなす体)M_H

は互いに逆であり,包含関係を反転させる.また Hf(x)M_H 係数多項式とみた多項式の群に等しい.

定理 9.3 ガロワ対応(正規性)

多項式 f(x) の群 G_f の部分群 H について,次は同値である.

(1) H は,ある多項式 g(x) のすべての根による式全体を不変にする部分群である.

(2) HG_f正規部分群である.すなわち \forall\sigma \in G_f に対して,

    H\sigma = \sigma{H}

である(H に関する左傍系と右傍系は一致する).

さらに,この対応において g(x) の群 G_g は商群 G_f/H と同型である.

    G_g \cong G_f/H

 

本質を学ぶ ガロワ理論最短コース

(P.150, P.153)

定理 9.1 (基本定理)

重根を持たない d多項式 f(x) に対して,その根 \alpha_1, \cdots, \alpha_d の入れ換えのなす群 G_f であって,次の性質をみたすものがただ1つ存在する:

(1) \alpha_1, \cdots, \alpha_d の2つの式が同じ値を定めるならば,G_f の各元で根を入れ換えても2式の値は等しい.すなわち,g(\alpha_1, \cdots, \alpha_d) = h(\alpha_1, \cdots, \alpha_d) ならば,G_f の元で \alpha_{i_1}, \cdots, \alpha_{i_d} と入れ換えても g(\alpha_{i_1}, \cdots, \alpha_{i_d}) = h(\alpha_{i_1}, \cdots, \alpha_{i_d}) が成り立つ.

(2) \alpha_1, \cdots, \alpha_d の式に対して,その値は,G_f のどの元で根を入れ換えても変わらないとき,定数である.

この群 G_f多項式 f(x) の群という.

証明のなかで使われていることを補題の形にしてみる。

補題 9.1-1

\alpha_1, \cdots, \alpha_d: 重根を持たない d多項式 f(x) の根,
\beta: f(x) の原始元,
g(x): \beta を根に持つ既約多項式
\gamma: g(x) の他の根,
とする.
\beta に関する2つの式が同じ値を定めるならば,\beta\gamma に入れ換えても2式の値は等しい.
すなわち,h(\beta) = k(\beta) \Rightarrow h(\gamma) = k(\gamma)

[証明]
\betax に書き換えた多項式 h(x), k(x)\beta を根に持つ多項式だから,h(x) - k(x)\beta を根に持つ既約多項式 g(x) で割り切れる.そこで
h(x) - k(x) = g(x)p(x)
とおく.x\gamma を代入すれば g(\gamma) = 0] だから
h(\gamma) = k(\gamma)

補題 9.1-2

f(x), g(x), \beta, \gamma などは (9.1-1) と同じとする.
f(x) の根 \alpha\beta の式で表すことができるから,それを h(\beta) とする.
\beta\gamma に入れ換えた h(\gamma)f(x) の根である.

補題 9.1-3

f(x), g(x), \alpha_1, \cdots, \alpha_d, \beta, \gamma などは,(9.1-1), (9.1-2) と同じとする.\alpha_1, \cdots, \alpha_d\beta の式で表すことができて,

   \alpha_i = h_i(\beta) (1 \le i \le d)

とする.各h_i(\beta) \beta\gamma に入れ換えた式h_i(\gamma) は,(9.1-2) により,f(x) の根であり,

   (h_i(\gamma) \cdots h_d(\gamma))

(\alpha_1 \cdots \alpha_d) の並べ換えとなる.

補題 9.1-4

f(x), \cdots は (9.1-3) と同じとする.

g(x) の異なる根\beta_1, \beta_2 に対して (9.1-3) で得られる(\alpha_1, \cdots, \alpha_d) の並べ換え
   (h_1(\beta_1) \cdots h_d(\beta_1))
   (h_1(\beta_2) \cdots h_d(\beta_2))
は,異なる並べ換えとなる.

 

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(129ページ)

K の元 \alphaA の元を係数とする多項式の根であるとします.このような多項式を以下,単に A 係数多項式と呼びます.\alpha を根に持つ A 係数多項式のなかで,次数が最小の単多項式\alphaA 上の最小多項式,あるいは A 最小多項式といいます.また,A が明らかな場合(混乱しない限り),単に最小多項式といいます.

『このような多項式』とは、「\alpha を根とする A の元を係数とする多項式」ではなく、単に「 A の元を係数とする多項式」と読む。だから、これ以降の基本的な性質を持つ A 係数多項式 f(x) は、f(\alpha) = 0 となるわけではない。

f(\alpha) = 0 となる多項式は、「\alpha を根とする A 係数多項式」であり、130ページ (3) の『\alphaA 係数多項式の値』とは、「A 係数多項式に \alpha を代入した値」と読まないと、(3) の内容がわからない。

 

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(119ページから)

■1の原始 n 乗根の性質(5つ)

(1) \Phi_n(x) の根

\Phi_n(x) の根はすべて \zeta^kkn と互いに素)の形(\zeta のべき)になります.以下,\Phi_n(x) の次数を s とおきます.この s1, 2, \cdots, n - 1 のうち,n と互いに素な整数の個数になります.この s\phi(n) と表し,\phi(n)オイラー関数といいました.

(2) \Phi_n(x) の根の式

\Phi_n(x) の根の式は,s - 1次以下の \zeta多項式で表せます.実際,(1) より根の式を f(\zeta)/g(\zeta) と表します.g(\zeta) \neq 0 なので,…

\Phi_n(x) の根の式』とは、何か?

例えば、\Phi_6(x) = x^2 - x + 1 で、その根は、(1 \pm \sqrt{-3}) / 2。よって  \zeta = (1 + \sqrt{-3}) / 2\zeta でない方の根は、(1 - \sqrt{-3}) / 2 = \zeta^5 だが((1) の内容)、1 - \zeta = 1 - (1 + \sqrt{-3}) / 2 = (1 - \sqrt{-3}) / 2 = \zeta^5 で、1次の \zeta多項式で表すことができる、というのが (2) の内容。

 

ガロアに出会う

5次以上の方程式には解の公式がないことをいうためには、以下を証明すればよい。

P を数体としたとき、P-係数の既約多項式の根 \alphaP 上のガロア群が可解群でないのなら、\alphaP 上べき根で表すことができない。

そのために、この本は上の内容の対偶である以下の定理を証明している。

 定理 19.3 P を数体とする.複素数 \alphaP 上べき根で表せるならば,\alphaP 上代数的であって \alphaP 上のガロア群は,可解群である.

P 上べき根で表せる複素数 \alpha は、可解なガロア群をもつガロア拡大 P \subset L の元である.\alphaP 上代数的となって、\alphaP 上の最小多項式があって、その最小多項式の根を P につけ加えた体 K がある。求める \alphaP-上のガロア群は、G(K, P) で、このガロア群は、可解群である、というのがこの定理の証明の自分なりの要約。

 ここで、複素数 \alpha がべき根で表せるとは、

定義 4.1 P を数体とする.複素数 \alphaP 上べき根で表せるとは,以下の条件をみたす数体の列 L_0, L_1, L_2, \cdots L_N が存在するときをいう.

(a) P = L_0 \subset L_1 \subset L_2 \subset \cdots \subset L_N

(b) \alpha \in L_N

(c) \forall i, 1 \leq i \leq Nについて,L_i = L_{i-1}(u_i), u_i^{n_i} = c_i, c_i \in L_{i-1}

ということ、つまり、『\alphaP に属する複素数と四則記号(+,−,×,÷)とべき根記号の組み合わせで表せる』(84ページ)ことであり、また、可解群とは、

定義 19.2G可解群であるとは次の (a) または (b) が成り立つときをいう.

(a) G はアーベル群である。

(b) 次の条件 (1) と (2) をみたす群の列

    H_0 \supset H_1 \supset H_2 \supset \cdots \supset H_{n-1} \supset H_n

が存在する.

(1) G = H_0 で,すべての i について H_{i+1}H_i正規部分群である:

    G = H_0, H_0 \triangleright H_1, H_1 \triangleright H_2, \cdots, H_{n-1} \triangleright H_n

(2) H_0/H_1, H_1/H_2, \cdots, H_{n-1}/H_n および H_n はすべてアーベル群である.

と定義する。

証明は、以下のように進む。

  1. 命題 21.5 により、P-上べき根で表せる複素数 \alpha を含む Pガロア拡大L で、そのガロアG(L,P) が可解群である L が存在する。
  2. \alpha \in LP \subset L より、\alphaP 上代数的である(命題 11.5 (a))から、\alphaP 上の最小多項式 h(x) の根 \alpha, {\alpha}_2, \cdots ,{\alpha}_mP に付け加えた体を K とおく。
  3. このとき \alphaP 上のガロア群は G(K,P) で(定義 12.8)、\alpha \in L かつ {\alpha}_2, \cdots ,{\alpha}_m\alphaP 上共役だから、{\alpha}_2, \cdots ,{\alpha}_m \in L。よって、K \subset L
  4. P \subset Lガロア拡大だから、K \subset Lガロア拡大命題 21.1)。よって、命題 18.1 より、G(L,P)/G(L,K) \cong G(K,P)
  5. G(L,P)が可解群であることと命題 21.3 (2) により、G(K,P) すなわち \alphaP 上のガロア群は,可解群であることが証明される。

上の証明で使われた命題等は以下の通り。

命題 21.5 P が数体で、複素数 \alphaP 上べき根で表せるとする.このとき,次の条件をみたす P の拡大体 L が存在する.

(a) \alpha \in L

(b) P \subset Lガロア拡大である.

(c) G(L,P) は可解群である.

P 上べき根で表せる複素数 \alpha に対して、そのガロア群が可解群である Pガロア拡大体である L が存在するということ。

命題 11.5 P \subset Kガロア拡大とする.このとき,次の (a) と (b) が成り立つ.

(a) K に属するすべての複素数P上代数的である:

    \beta \in K \Rightarrow \betaP上代数的

(b) P上共役な2つの複素数は,もし一方が K に属していれるならば,もう一方も K に属している.

    \beta, \gammaP上共役,\beta \in K \Rightarrow \gamma \in K

定義 12.8 複素数 \alphaP 上代数的であるとする.そして,\alphaP 上の最小多項式h(x), h(x) = 0\alpha以外の根が \alpha_2,\cdots,\alpha_m であるとする:

  h(x) = (x - \alpha)(x - \alpha_2)\cdots(x - \alpha_m)

そこで,P\alpha, \alpha_2, \cdots, \alpha_m をつけ加えてできる P の拡大体を K とする:

  K = P(\alpha, \alpha_2,\cdots,\alpha_m)

そうすると,h(x)P-係数多項式だから,P \subset Kガロア拡大である.そこで,このガロア拡大 P \subset Kガロア群を,\alphaP-上のガロア群と呼ぶ:

  \alphaP-上のガロア= G(P(\alpha, \alpha_2, \cdots, \alpha_m), P)

命題 21.1 P, K, L は数体で,P \subset K \subset L をみたすとする.このとき,もしも P \subset Lガロア拡大ならば K \subset Lガロア拡大である.

命題 18.1 P, K, L が数体で,P \subset K \subset L をみたし,

  P \subset KK \subset LP \subset L

は,すべてガロア拡大であるとする.このとき,G(L, K)G(L, P)正規部分群であり,G(L, P)G(L, K) による剰余群は G(K, P) に同型である:

  G(L, P)/G(L, K) \cong G(K, P)

命題 21.3 GW が群,HG正規部分群

  G/H \cong W

であるとする.このとき,次の (1), (2) が成り立つ.

(1) WH が両方とも可解群ならば,G は可解群である.

(2) G が可解群ならば,W は可解群である.

19.3 の証明の 1. で使う可解群 G(L, P) を持つガロア拡大P \subset L は、\alpha を含んではいるが、この可解群は、\alphaP-上のガロア群ではない。これは、定義 12.5 と命題 12.6 で決まる P をとめる L \rightarrow L の自己同型全体の集合からなる群のこと。

命題 21.5 は、定理 19.3 の仮定「複素数 \alphaP 上べき根で表せる」ことを、\alphaガロア群が可解群であることと結びつける最初のステップ。21.5 を証明するために使われるのが、命題 20.4。

命題 20.4 2項拡大のガロア群は可解群である.具体的にいうと:

  L = P(x^n - c), c \in P, c \neq 0, n \geq 2

とする.このとき P \subset Lガロア群は可解群である.

21.5 の証明は、定義 4.1\alpha \in L_N をべき根で表すときに存在した数体の列数が2の場合(L_N = L_2)でおこなっている。つまり、

  P \subset L_1 \subset L_2

  L_1 = P(u_1), u_1^{n_1} = c_1, c_1 \in P

  L_2 = L_1(u_2), u_2^{n_2} = c_2, c_2 \in L_1

  \alpha \in L_2

として、L_2 を含む2項拡大の列を構成する。2項拡大のガロア群は、20.4 で可解群であり、その列の最後の2項拡大を L にして題意の拡大体 L を構成している。

 

完全版 天才ガロアの発想力 (3)

解けない方程式の「からくり」はこうだ (207ページ)

K, F: 体、K \supset F とする。

べき根拡大

 K が F のある要素のべき乗根を加えたものであるとき、「体 K を体 F のべき根拡大」と呼ぶ。

巡回拡大

K の F 上の自己同型の作る群が巡回群であるとき、「体 K を体 F の巡回拡大」と呼ぶ。

 体 K が体 F のべき根拡大であることと、巡回拡大であることは、同値。(ただし、F が1のn乗根をすべて含んでいる場合?一般の複素数体の部分体でない有理数含まないような体の場合はどうなる?)

べき根拡大の定理1

体 F が1のn乗根をすべて含んでいるとする。a \in F のn乗根を F に付加して作ったべき根拡大体を K とすると、K は F の巡回拡大である。

 

 べき根拡大の定理2

1のn乗根をすべて含む体 F の数を係数とする方程式の解から作った体 K の F 上の自己同型のなす群を G とする。K と F の中間体 K_1 と K_2 があって、K_2 が K_1 のべき根拡大なら、G の元で K_1 を不変にするものを K_2 に制限したものがすべて K_2 の K_1 上の自己同型になる。