完全版 天才ガロアの発想力 (3)

解けない方程式の「からくり」はこうだ (207ページ)

K, F: 体、K \supset F とする。

べき根拡大

 K が F のある要素のべき乗根を加えたものであるとき、「体 K を体 F のべき根拡大」と呼ぶ。

巡回拡大

K の F 上の自己同型の作る群が巡回群であるとき、「体 K を体 F の巡回拡大」と呼ぶ。

 体 K が体 F のべき根拡大であることと、巡回拡大であることは、同値。(ただし、F が1のn乗根をすべて含んでいる場合?一般の複素数体の部分体でない有理数含まないような体の場合はどうなる?)

べき根拡大の定理1

体 F が1のn乗根をすべて含んでいるとする。a \in F のn乗根を F に付加して作ったべき根拡大体を K とすると、K は F の巡回拡大である。

 

 べき根拡大の定理2

1のn乗根をすべて含む体 F の数を係数とする方程式の解から作った体 K の F 上の自己同型のなす群を G とする。K と F の中間体 K_1 と K_2 があって、K_2 が K_1 のべき根拡大なら、G の元で K_1 を不変にするものを K_2 に制限したものがすべて K_2 の K_1 上の自己同型になる。