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定理 9.2 ガロワ対応(多項式の群の部分群と根の式のなす体との対応)

G_f:重根を持たない多項式 f(x) の群

M:根の式のなす体

とする.以下の対応

  根の式のなす体 M \longrightarrow M に含まれる根の式の値をすべて不変にする G_f の元全体(G_f の部分群)H_M

  G_f の部分群 H \longrightarrow H で不変な根の式全体(根の式のなす体)M_H

は互いに逆であり,包含関係を反転させる.また Hf(x)M_H 係数多項式とみた多項式の群に等しい.

定理 9.3 ガロワ対応(正規性)

多項式 f(x) の群 G_f の部分群 H について,次は同値である.

(1) H は,ある多項式 g(x) のすべての根による式全体を不変にする部分群である.

(2) HG_f正規部分群である.すなわち \forall\sigma \in G_f に対して,

    H\sigma = \sigma{H}

である(H に関する左傍系と右傍系は一致する).

さらに,この対応において g(x) の群 G_g は商群 G_f/H と同型である.

    G_g \cong G_f/H